但馬牛を通じ地域を継承する 但馬牛から神戸牛まで 。但馬・美方ファームのこだわり
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但馬牛を通じ地域を守り、継承すること
兵庫県の北部、但馬地域に位置する美方郡。北は山陰の日本海に面し豊かな海産物で恵まれ、山間は冬季スキー客で賑わう村である。この中山間地の村を未来に残し、継承していきたいと意気込む脱サラリーマンが挑戦し続ける牧場がある。その名は美方ファーム。今回は美方ファーム(牧場)の管理者である小林さんに但馬牛のこだわりを聞いた。
但馬牛を通じ地域雇用を守り、伝統を継承する
貧しかった小林さんの生家であったが、小林さんの健康を気遣い、母親が上質の肉を買って食べさせてくれた。その幼少時代の感覚が今でも鮮明に残っている。
子供のころのイメージを頭の片隅に残し、若い頃はサラリーマンとして働き、人材育成にやりがいを感じ、汗を流した。
そんな小林さんに大きな転機が訪れた。在籍する会社が牧場を経営しており、経営合理化の中で手放す決断をする。この決断に待ったをかけ、ならば自身で独立しこの牧場を継承する判断をした小林さん。当時58歳のときでした。
牧場を保有していた会社が手放す経営判断をした時、この牧場には地元の社員が6人働いていた。この地元の資源(但馬牛)を愛し、但馬牛を育てることで生計を立てる若い人たちの雇用を守っていかないと地方が廃れてくる、そう感じた小林さんは彼らを引き受け、但馬牛を守る覚悟を決めた。独立し、牧場事業を引き継いだ当時は従業員の給与支払いも厳しく、減額せざるを得なかった。それでも従業員が頑張って苦しい時を支えてくれた。今でもその従業員が笑顔で頑張ってくれている。但馬生まれ、但馬育ちにこだわった美方ファーム
美方郡産の雌牛の肥育にこだわり、素人集団に近い社員と共に二人三脚で頑張ってきた。自分たちが生まれ育った村と同じように、牧場で産まれた仔牛を育て、ホルモン剤やステロイド剤を使わず肥育を行い、いい但馬牛を人々の食卓に提供する事で地域雇用と伝統の両方を守っていく。小林さんの信念は愚直に牛の育成に注がれた。
牛の血統を守れば守るほど病気に弱く経営としてはリスクがある。しかし、あえてそこにこだわりたい。牛の育成を通じ、そこに関わる人の成長を小林さんは大切にしてきました。牛と人との信頼関係
「今でも美方ファームを独立して始めるとは思っていなかった」と小林さん。一般的に動物は自分の子どもしか育てないが、人間は社会・会社の中で部下(ヒト)を育成している。このように人の子供を育成できるのは人間社会だけだ。自身が美方ファームを引き受ける判断をしたのは純粋に牛を愛し、牛を育てる「ヒト」を育てたい。そしてこの活用を通じ、地域雇用を守りたいという純粋な信念であった。自分自身が従業員に真心で向き合い育てることで、同じように彼らも真心をもって牛に向き合い、牛を育てる。好きだからこそ、皆でほんものを追求できる。牛を自分たちの子供のように接する。そこに人と牛の信頼関係が生まれ、今に繋がった。
行政の指導・アドバイスを素直に聞き入れてきたことでここまでこれた。素人集団だからこそ人の意見を聞き入れて改善してきた。不思議なことに、人の意見を真剣に聞き、取り入れると色々な人が親身になって、肥育に関するアドバイスをしてくれるようになった。餌の事業者を決定する時も、その取引先の会社の人を見て判断してきた。人との信頼関係がこのビジネスを支えている。借入も行政の人に助けてもらった。本当に「ヒト」に支えられここまできた。神戸牛としての最優秀賞の受賞
神戸牛の共励会に出展し、賞を受賞できるようになった。そして最優秀賞も受賞した。
一歩一歩であるが、小さな取り組みに花が開きはじめた。一方、神戸牛として高い評価を受けると販売価格も高くなり、なかなか手が届かなくなる。小林さんがもう一つこだわったのは、従業員が手に届く価格で家族や友人に勧める事でき、食する事だ。これは自身の子供の頃の貧しかった体験が今でも人生のヒントになっていることだ。「できるだけ買いやすい値段で販売し、儲けは二の次だ」と小林さん。循環型社会への取り組み(堆肥循環)
牛糞をいかに循環させるか、環境問題にも取り組み、牛糞の処理を行い、循環できるようにやってきた。この牛糞がコウノトリ米の堆肥として利用され実績が出始めた。生命を土に返し、食物連鎖に繋げたい。この取り組みも小林のこだわりだ。
ホルモン剤や抗生物質を使わず肥育をしているので、堆肥にも自信を持っている。このように、地産にこだわり循環型社会(継続的な)を形成していくことを未来に繋いでいきたい。地域を愛し、地域を守る
山間に位置する美方牧場。私たちが訪ねた初夏も少し肌寒いくらいでした。風が吹き抜け、マイナイスイオンを感じる冷涼な高原牧場。牛の世話に誇りをもっている人達の雇用を守りたい。
地域の宝(資源・人)を守り、未来に受け継ぐ。美方ファームで品質の高い但馬牛・神戸牛を育てる小林さんの挑戦は続く(聞き手/岡田 勉)
上質の但馬牛を「真結のお肉」として限定販売いたします
このたび、この美方ファームの但馬牛の中で、最高部位にだけ絞り、真結のお肉として販売取扱することとしました。但馬牛の最高品質を言われる部位の総称を「真結のお肉」として提供させていただきます。
美方神戸肉・ヘレ肉シャトーブリアンステーキ
最高部位と呼ばれるシャトーブリアンは希少部位で、ヘレ肉のその中でも中心部分をさします。仔牛の繁殖から肥育まで一貫して行う美方ファームが自信をもってお勧めするシャトーブリアン。最高品質をぜひご賞味ください。
120g×2枚※「真結のお肉」として限定販売ですので数量は少量です。
美方神戸肉・サーロインステーキ
背中から腰のあたりの肉で、筋繊維が細かく、こまやかな『サシ』が溶け出す柔らかく濃厚な高級部位です。所説ありますが、イギリスの王があまりの美味しさに「サー」の商号を与えた事から、サーロインステーキと呼ばれるようになったと言われています。仔牛の繁殖から肥育まで、一貫して行う美方ファームが自信をもってお勧めするサーロインステーキ。高品質をぜひご賞味ください。
250g×2枚※「真結のお肉」として限定販売ですので数量は少量です。
美方神戸肉・しゃぶしゃぶ用
リブロースの薄切りをしゃぶしゃぶ用としてご用意しました。リブロースはサーロインと同じ高級部位で、背中のお肉であるロースのうち腰側のお肉です。ロース部分の主体をなす最も厚みのある部位として人気が高いリブロース。きめが細かく肉質も良いので風味がよく甘みがあります。仔牛の繁殖から肥育まで一貫して行う美方ファームが自信をもってお勧めするリブロース。ぜひご賞味ください。
500g※「真結のお肉」として限定販売ですので数量は少量です。
美方神戸肉・すき焼き用
リブロースをすき焼き用としてご用意しました。リブロースはサーロインと同じ高級部位です。背中のお肉であるロースのうち腰側のお肉で、ロース部分の主体をなす最も厚みのある部位で人気が高いリブロース。きめが細かく肉質も良いので風味がよく甘みがあります。仔牛の繁殖から肥育まで一貫して行う美方ファームが自信をもってお勧めします。すき焼きとしてぜひご賞味ください。
500g※「真結のお肉」として限定販売ですので数量は少量です。
美方神戸肉・焼き肉用(五種盛り)
一頭の牛からわずか1キロしか取れない希少部位であるミスジ、カルビの中でも一番美味しいと言われる三角カルビ、お尻の柔らかい部分を切り出したイチボ、希少部位のヒウチ、中バラの一部でヒレに近いカイノミの5種を焼肉用として厳選し、ご用意しました。仔牛の繁殖から肥育まで一貫して行う美方ファームが自信をもってお勧めする肉を食していただき、他との違いをぜひ堪能ください。
各100gで計500g※「真結のお肉」として限定販売ですので数量は少量です。
但馬生まれ・但馬育ちの牛の品質について
美方ファームの牛はすべて当牧場で産まれた牛のみを扱っております。そのため、食肉を発送させていただく時に牛の証明書を同封させていただきます。このたびの「真結のお肉」はA4、A5ランクだけに厳選しました。通常の「神戸ビーフ」に該当するランクで、安心してご購入いただけます。
抗生物質を使っていない育成(安心・安全の食肉)
美方ファームの牧場では抗生物質を使った餌は使用しておりません。安心して食していただけますよう、餌にもこだわりをもった育成を一貫して行っております。